悪魔なキミと愛契約
怒りが引いていく。
体の中の黒い何かが、まるで水で洗い流されているようだ。
目の前が少しだけ明るくなった。
今まで薄暗い場所だと思っていたのに
なんだ、以外と明るいじゃないか……
「……ルカ」
徐々に頭が起きてくる。
目の前にルカがいる。
ルカの美しいグリーンの瞳。
「私……
おまえになにを……」
なにを
していた……?
「手間をかけさせやがって」
なぜか、ルカの声が心なしか優しい気がする。
「どうして、怒らないんだ……」
「貴様、まだ催眠にかかっているのか?」
ルカがムッと眉間にしわを寄せる。
「違う。
そうじゃなくて。
私……こんなに酷いことしたのに……
ヘイリの言葉に惑わされて、一番大事なことを忘れていたのに……」