悪魔なキミと愛契約
「ない」
「ある!!
絶対にある!!」
「………」
「私が、見つけてみせる」
「無理だ。
今までこうやって過ごしてきたのだ。
それを今さら変えることはできない」
「そんなの、やってみなきゃわかんないだろ!!
おまえ、世継ぎだろ?
フランさんが守ってきた国を、これからおまえが背負っていくんだろ?
その為には、兄であるヘイリの心を変えなきゃ!!
兄弟がずっと争ったままだと、国はどんどん悪くなっていくぞ!!」
「………」
「ちょうどいいじゃないか。
私はルカの教育係としてここに来たんだ。
ついでにヘイリの心の教育もしてやるよ」
強く言った。
ルカは何も言わずに私を見下ろしている。
そして――…
「……ッ!!?」
フっと、ルカが笑った。
爽やかに、口元に手の甲をあて、
とても柔らかく、目を細めて……
おまえ……
そんな顔
出来たのか……