悪魔なキミと愛契約


「父上……」



ルカは頬の涙を光らせながら顔を上げた。


「私は…これからも、人間を愛し、生きていてよいのでしょうか」


……ルカ


「国民に批難されても、それでも、ずっと、母上と同じように、サラを……」


……え?

ルカ、おまえ……

なにを……

なにを、言って……



フランさんは、ルカの肩を優しく撫でて言った。


「その想い。
気づいてしまったら、もうなかなか消せないものだからな」


「………」


「国民の声など、そんなの気にするな」


大魔王らしかぬ言葉。


正直、驚いたけど。


「何かあれば、私達が傍にいるんだ。
いくらでも、おまえを支えてやれる」


父から息子へ贈る言葉としては

とても温かな言葉だった。



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