悪魔なキミと愛契約
「国の為に、2人で知恵を出し合うというのか?」
「はい」
ルカが答えると、ヘイリはバカにしたように甲高い笑い声をあげた。
「さすが、人間の血が流れているだけあるな」
「………」
「話し合いだと?
人間は話し合いというものが、本当に好きだな」
ルカに歩み寄ったヘイリ。
顔をルカに近づけると
「か弱い人間は、すぐに他人の力を借りたがる。
可哀相な生き物だ」
低い声で、厭味に口角をあげながら言った。
ルカは、ジッとヘイリを見据え、強い口調で言った。
「本当に弱いのは、どちらですか?」
「なに?」
ヘイリが眉を寄せる。
「兄上は、サラに悪夢見せ逃げたではありませんか」
……え?
「悪魔は、昔から人間を奴隷として飼ってきた。
それは、自分の心(なか)の汚い記憶を人間に移し、現実から逃げる為だ」
「………」
「しかし、人間は逃げないっ!!
どんなに辛い過去があろうと、どんなに高い壁にぶつかろうと、きちんと乗り越えられる強さを持っていますっ!!!!」
……ルカ。
「人間は弱くない」
「………」
「本当に弱いのは、悪魔の方だ」