悪魔なキミと愛契約
背中に黒い翼をはやしたルカ。
私の元に飛んでくると、すぐに私の体を抱き抱え、城の外に避難した。
その後を、闇に包まれたヘイリが追ってくる。
「どこだっ!!!!」
外に出てきたヘイリが、私達の姿を探している。
「またコソコソと隠れおって。
貴様は昔からそうだ。
危険が迫るとすぐにそうやって隠れていたな」
ヘイリは私達がいる場所とは全く真逆を見ている。
結界……。
張ってんのか?
ルカは私の体を地面に下ろすと、羽を畳むことなく言った。
「ここで大人しくしていろ」
「おまえ、まさかっ!!!」
ルカの腕を強く掴んだ。
止めたくて。
いくら兄といえども、今のヘイリは危険だ。
尋常じゃない。
もしかしたら
命にかかわるかもしれない。
ルカは、私の手を優しく解いた。
「心配するな。
必ず無事に戻るから」