悪魔なキミと愛契約


「……ルカ」


本音を言うと、行かせたくなかった。


ヘイリの怒りが治まるまで

ずっとこの結界の中にいてほしかった。


でも……


ルカの瞳から、強い決意が伝わってきたから。


「無茶、すんなよ」


見送ることにした。


ルカは私に微笑むと


「そのネックレスが、結界を張ってくれる。
黙っていれば、あいつにバレることはない」


「わかった」


私が微笑みを返すと、すぐに結界の中から飛び出していった。




「兄上っ!!!!」


私の頭上で、ヘイリを呼んだ。


クルリと振り返ったヘイリ。


ニヤリと笑って。


「そんなところにいたのか」


冷たい声を出した。


「貴様とは、きちんと決着をつけようと思っていた」


「………」


「覚悟しろっ!!!!」





< 296 / 317 >

この作品をシェア

pagetop