悪魔なキミと愛契約


バタン!! と勢いよくドアを閉め、そのままドアに寄りかかった。


ビビった……

あいつ、いきなり脱ぎ出すんだから。

心臓に悪い……


しばらく、速まる鼓動を静めてルカの着替えを待っていた。


だけど――。


遅い……

いくらなんでも遅すぎる。


ズボンを履き替えるだけで、ここまで時間はかからないはず。


はっ!!

もしかして、あいつ

逃げやがったなっ!?


その為に私を廊下に出したんだな?

こぉんの性悪王子めっ!!!!


ブルブル震える拳を固く握る。

でも、ダメだ。

我慢しないと。


大人になるんだろ、サラ。


私は自分にそう言い聞かせ、そっとドアを開けた。


本当にルカが逃げていたとしても、決して怒ってはいけないよ。



「………?」



ルカは、逃げてはいなかった。




< 39 / 317 >

この作品をシェア

pagetop