悪魔なキミと愛契約
白い塊
「あっ!!
シキーー!!」
屋敷の廊下を歩いていたシキを大声で呼んだ。
驚いた様子でクルリと振り返ったシキ。
「サラ様。
どうかなさいましたか?」
シキのもとへ駆け寄り、厨房に連れて行ってほしいとお願いした。
「厨房?
一体、何をなさるんですか」
「魔界から帰ってきたルカに作ってあげたいものがあるの」
私が言うと、シキは眉間にグッとシワを寄せた。
「食事の用意ならシェフがいたします。
ご希望のものがあるのでしたら、今夜の夕食は変更できるかと」
「それじゃダメなの!!」
首を傾げるシキ。
「夕食は夕食で作ってもらいたいんだけど、その前にルカに食べてもらいたいものがあるの」
「………?」
「シキ、お米はある?」
「はい。
米ならございますが……」
頭にハテナマークを浮かべるシキに、私はフフ~ンと笑ってみせた。