悪魔なキミと愛契約


シキは、とても興味深そうに頷いた。


私はささっと米を洗い、シェフが夕食の下ごしらえをする姿を見ながら、ご飯が炊きあがるのを待った。


ピーピーっと炊きあがりを知らせる音が鳴り、シキと一緒に炊飯器を覗きこむ。


ふっくらとした、白く輝くご飯。


「さすがサラ様。
とてもキレイな炊き上がりですね」


「大袈裟だよ。
これぐらい誰でもできるから」


私が肩をすくめて言うと


「次は何をなさるのですか?」


シキは私の行動に興味津々だった。


「次は、ご飯をただ三角ににぎるだけ」


気がつけばシェフ達も珍しいものを見る目で覗きこんできた。


「こうやって塩を手にふって、“ギュッギュッ”って握るの。
ほら、ちゃんと三角になったでしょ?」


おにぎりをシキやシェフ達に見せる。


「おお~。
これが“おにぎり”とやらですか」


だから、その反応大袈裟だって。

魔界には“おにぎり”はないのかな。


っていうか、魔界の主食って何なんだろう。


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