悪魔なキミと愛契約
……え、ちょっ
マジで!?
一歩二歩と、ヘイリが私のいるベッドへと近づいてくる。
その間も、ずっと目は合いっぱなしだった。
やっぱり……
コイツ、私に気づいている。
ヘイリは私の目の前までくると、私目掛けて手を伸ばしてきた。
うわ――っ!!
殺されるーーっ!!!!
両手で体をかばった、その時。
スッ――っと、ヘイリの姿が私の目の前から消えた。
目を見開いて見てみると、ルカが私とヘイリの間に入っている。
「今朝、猫が屋敷に忍び込みこのベッドで眠っていたのです」
ルカ……
「ほー。
猫…か。それはとんだ客人だな」
「えー。
すぐにシキに外へ出すよう言いました。
きっと、その匂いがまだ残っていたのでしょう」
そんなウソ、コイツに通用するのか?
そもそも、猫と人間の匂いは違うんじゃないのか?
「フン、まぁいい。
早く魔界へ戻ろうではなか、ルカ。
おまえは世継ぎであろう。
こんなところで油を売っている暇はないぞ」
「はい。 兄上」