悪魔なキミと愛契約
ヘイリは部屋を出る前に、もう一度私を覗きこんできた。
やっぱり
私に気づいてんじゃん。
それを気づかないふりして去っていくなんて、一体何考えてんだ?
何かを企んでる?
っていうか、ルカが世継ぎなら、ヘイリの方が跪かないといけないんじゃないのか?
「おい、ブス」
ルカは、ヘイリが完全に部屋から出たあと、背中越しに声をかけてきた。
「シキの傍から、絶対に離れるなよ」
「………」
「わかったか?」
「う、うん」
ルカの有無を言わさない言い方。
ムカつく言い方だけど、これ、完全に私を守ってくれてるよな……?
人間が嫌いなら、別にわざわざ結界を張らずとも、私をヘイリの前に突き出せはいいじゃないのか?
私が焼かれようが煮られようが、ルカには何の関係もないし……
ルカ……
なぜ、私を守った?