悪魔なキミと愛契約
起きている事態を理解するのに、放心状態の私。
「サラ様、先程は申し訳ございませんでした。
お怪我はありませんか?」
2人の消えたドアをボーっと眺める私のもとへ、シキが駆け寄ってきた。
「え? ああ、うん。
あんなの全然平気」
「一刻を争う事態だったとは言え、少し乱暴過ぎました。
念のために医者に診てもらいましょう」
シキは大袈裟にも、メイドさんにすぐに医者を呼ぶよう命じていた。
「いや、私は本当に大丈夫だから。
それより、ルカの方が心配だろ」
「………」
「いいのか?
ルカをあのまま魔界へ行かせて。
っていうか、あのヘイリの黒さは何だ?アイツ、闇の塊じゃないか」
私が言うと、シキは俯き眉間にシワを寄せた。
「ルカ様は、きっと大丈夫でしょう」
って……
思いっきり心配そうな顔してんじゃん。
あいつらは、心置きなくケンカできる場所へ移動しただけなんじゃないのか?
それはまずいだろ。
だって、ルカは腕に大ケガしてんだから。
いくら悪魔は治りが早いからって、あれはどう考えても一日二日じゃ治らないだろ。
ルカ……
おまえ、相当不利だぞ……