悪魔なキミと愛契約
シキの用意してくれた昼食をとり、私は屋敷内を少しぶらついた。
やっとで自由になれたという開放感。
それに、ルカのことが心配で心配でジッとしていられなかった。
普段のルカならこんなこと思わないけど、今のあいつはケガ人。
今度はどんなボロボロな姿で帰ってくるんだろうって想像しただけで、身が震えた。
「……あ」
廊下を歩いていると、車いすで移動しているチヅルさんの姿を見つけた。
すぐに駆け寄り、後ろから押してあげた。
「あら、サラさん」
チヅルさんが私に気づき、顔だけ振り向いた。
「どこに行くんですか?
そこまで押してあげますよ」
「ありがとう。
それじゃ、あそこの部屋までお願いできるかしら」
チヅルさんは、2階へ続く階段のすぐ隣の部屋を指差した。
そこまで車いすを押し、部屋の中へ一緒に入った。
「うわ……
すごい……」
部屋中、たくさんの本棚が置かれていた。
高い天井まで続く本棚。
天井近くの本は、どうやって取るんだろう……
はしごがついているとはいえ、ここまで高ければ取る気も失せる。