悪魔なキミと愛契約


チヅルさんは右手を上げると、それを軽く横に振った。


首を傾げながらチヅルさんの動きを見ていると

突然本棚が右にずれ、その奥からまた本棚が出てきた。


Wow!!


さらに、何かを呼ぶように手を動かしたチヅルさん。

すると、奥から現れた本棚から一冊の分厚い本が飛んできた。


Wow!!!!


その本は迷うことなくチヅルさんの膝の上におりてきた。


「ち、チヅルさんにも魔力があるんですか?」


目をパチクリさせてチヅルさんを見た。


「驚いたでしょ?
フランが、私にこの力を授けてくれたのよ」


お茶目に笑うチヅルさん。

私は、目をパチクリさせたまま『へー』と間抜けな返事をした。


「そんなことより、これをサラさんに見てもらいたくて」


チヅルさんは、呼び寄せた本を私に持たせると優しく微笑んだ。


重い本を左腕に抱え、表紙をゆっくりと開いて見た。



「………っ!!」



これ、アルバムだ。






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