悪魔なキミと愛契約


1ページ目をめくって、チヅルさんを見る。

チヅルさんは微笑み、小さく頷いた。


このアルバムには、小さなルカがたくさん写っていた。



小さな体で持ち切れない程のバラを抱え、屈託のない笑みを向けるルカ。


自分の体よりも大きなビーチボールを追いかけているルカ。


テニスのラケットの網を顔に当て、鼻を潰しているルカ。


そして、

芝生の上のシートにお弁当を広げ、チヅルさんと抱き合って写っているルカ。


どれを見ても、それは幸せな家族の写真で。

ルカはチヅルさんの愛情をたくさん受けて育ったんだな。

って、胸が温かくなるアルバムだった。



「……初めて見ました。
ルカの、笑顔」



私が言うと、チヅルさんはフフっと笑った。



「あの子、笑うととても可愛いでしょう?」


「はい。
想像以上の可愛さです」


「フフっ」





< 84 / 317 >

この作品をシェア

pagetop