悪魔なキミと愛契約
廊下の隅に座り込む私。
なにもできなかった……
血だらけのルカが突然現れて、気が動転して。
ただ、シキを呼ぶだけで精一杯で。
ぐったりしているルカを前に、震えて言葉もでなかった。
それに比べ、シキはすごい。
あんなに落ち着いて周りに指示が出せて……
「サラ様、お立ち下さい。
ルカ様はもう大丈夫です。安心なさって下さい」
シキは優しい手付きで私を立たせてくれた。
「……シキ」
「……?」
「ごめん」
「サラ様、どうされたのですか!?
なぜ謝るのです?」
「私、なにもできなかった……」
「………」
「ルカのあんな姿を見て、体が震えて、ただシキの名前を叫ぶことしかできなかった……
ルカの教育係として、失格だよな……」