悪魔なキミと愛契約


言葉を落として、グッと俯く。


ホント、失格だよ……

私、一体何しにここに来たんだ。


体が震えて言うことを聞かないなんて……

不甲斐ない……



「サラ様」


「………」


「サラ様、顔をお上げください」


シキが、私の顔を覗きこむ。


「ルカ様は、すぐにサラ様に体を預けられたのでしょう?」


「………」


「なぜだと思いますか?
サラ様を見た瞬間、安心なさったからですよ?」


「……え?」


「ずっと気を張ってここまで戻ってこられたのです。
サラ様の姿を見た瞬間、心の緊張が解け、サラ様に身を預けられたのです」


「………」


「ルカ様が、段々心を開いてきている証拠ですよ?」


シキは私を見てニッコリ笑った。


私に、心を開いてきてる?

本当?

私、なんにもしてないのに?



「シキ……」


「はい、サラ様」


「ルカの傍についていてもいい?」





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