悪魔なキミと愛契約


私が言うと、シキはしばらく私の顔を見て


「もちろんです」


と、とても嬉しそうに微笑んだ。




私は、ベッドで眠るルカの傍に膝を立て座った。


ルカの額には大きなガーゼ。

上半身裸の体には、丁寧に包帯が巻かれている。


酷いケガを負ったせいだろうか

ルカは高熱を出し、苦しそうに呼吸をしていた。


そっと額に手を当てる。


そのまま、火照る頬まで手を下ろした。


ルカ……

こんなになるまで、アイツとやり合ったのか。


どうして……


どうしておまえは、そこまでして魔界に行くんだ。


世継ぎだから?

人間界が嫌いだから?


だからおまえは、実の兄にこんなに傷付けられても向こうに行くのか?


このままじゃ、おまえがフランさんのあとを継いで王になったとしても

きっと、アイツのいびりは無くならないと思うぞ。




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