⌘ヴァンパイア学園⌘
この歌は、私の記憶に残る歌。
愛を伝えるための歌……。
大切な人のための歌……。
目を開くと、隼人がにっこり微笑んでいるのが目に入る。
「綺麗な声だな。感動した!」
隼人は手を叩く。
「ありがとうっ! 隼人!!」
私は嬉しさのあまりに泣いてしまった。
嬉しい!
私は隼人のこんな顔をみたくて頑張ってきた。
だから、すっごく嬉しい!!
私は隼人の胸に飛び込む。
「おぉ?!」
「ありがとう、ホントにありがとう! 嬉しい、嬉しいよ!!」
私は何度も何度もそう言っていた。
隼人は何度も何度も答えてくれた。
「俺も嬉しかった」
「えっ?!」
隼人の答えはこれだった。
「何で、嬉しかったの?」
「俺の好きな人が、俺のために歌を歌ってくれたから♪」
私の体はみるみるうちに熱くなる。
「どうかしたか?」
「ううん、別にどうもしてないよ!!」
私はそう言って目を逸らした。