紅月 -AKATSUKI-
Ⅳ【絶たれぬ連鎖】
“肌の色が自分とは違うから”
“話し方が自分とは違うから”
“脳内が自分とは違うから”
“みんながそう言っているから取りあえず自分も言おう”
「気持ち悪い」って。
気持ち悪い。
たったそれだけの理由で。
たったその一言の理由で。
あなたは関わろうとしない。
あなたは白い目を向ける。
あなたは嘲笑う。
あなたは“死”を望む。
人間差別。
どうして?
どうして、差別なんかするの?
差別をして、どうしたいの?
差別をすることで、あなたは何を得られるの?
これが“人間”という生き物なの?
“人間”という生き物を、差別をしない優しい生き物に変えることは、出来ないの?
僕は差別が嫌いだ。
残るのは悲しみだけ。
差別をしても、誰も喜ばない。
でも、なんとなくわかる。
差別はなくならない。
自分が変わろうとしないまで。
「差別をする人の意味がわからないし、関わりたくない」
そしてこれもまた、
差別のひとつなのだから。