あめ。

―帰り道―




いつも通りに家に帰る。




家には誰もいない……………はずだが…何故か奥の方で物音が聞こえる…。




る（えっ……誰か…いるの…!?いつもは誰もいない………時間なのに………しかも暗い部屋の中…………。)




恐る恐る音がする方へ震える足で近くまで行ってみる。




どうやら音がするのは扉の奥からだった。




その扉はリビングへ行く扉だった。




勇気を振り絞って扉を少し開けて覗いた。




そこで見たものは、黒い服を着た人がリビングでガサゴソ何かをやっていた。




る（えっ…………何？泥棒…？…怖い……………）




私は恐怖で声が出せなかった。




前を向いたまま恐る恐る後ろへ下がると何もない廊下で躓いて転んでしまった。




ガタッ




泥「誰だっ！」




低い男の声が聞こえた。




る（ヤバッ気づかれた…………かっ…隠れなきゃ……）




私は覚束ない足取りで２階に上がり、クローゼットの奥の隅に隠れた。




隠れ通せるわけもないと分かっていたけど、あまりの恐怖でこれが精一杯だった。




る（怖い……来ないで………）




そう願いながら私はクローゼットの中で震えていた。