BEST FRIEND
ちなみに私は勉強も運動もそこそこなので二人の勝負に参加しない。ていうか、私は勝負相手として見られてない。
まだ睨み合いながら教室に続く廊下を歩いていると、曲がり角から一人の生徒が飛び出して来て冬馬と派手にぶつかった。
「うわっ!?」
いきなり横から飛び出して来た生徒に突き飛ばされ冬馬は廊下の端に飛んで行った。
冬馬の隣を歩いていた私も巻き込まれそうになったけど、その寸前に夏海が私を後ろに引っ張ってくれたので何とか巻き込まれずに済んだ。
「冬馬、大丈夫?」
駆け寄ると冬馬は平気そうに手をヒラヒラ振る。
「うん、平気ー。あなたは大丈夫?」
冬馬が生徒に目をやったのでハルも目をやる。
生徒は長い黒髪に大きな目。色が白いので髪の色がよく目立つ。
生徒はぶつかって尻餅をついたらしく、冬馬が声をかけても呆然と冬馬を見てるだけだった。
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