BEST FRIEND
ハルがそう言うと、待っていたのは夏海の意地悪な笑顔。
「あーあー、残念だなー。ここの料理凄く美味しいのに、ハルはケーキ三つも食べちゃったなー」
「酷い!お店予約してるならそう言ってよ!」
てか、普通言うでしょ。自慢のお店予約するなら!こんな素敵なお店の料理だったら美味しいに決まってる。
本気で怒りかけのハルに夏海は笑って、
「別にここの料理をご馳走する為に連れて来たんじゃないんだ。これを見せたくて」
そう言って夏海がカーテンを開ける。
たった一つしかないテラス席の向こうには、街の夜景がどこまでも広がっていた。
「わあ…」
ハルは吸い込まれるようにテラスに出て手すりに手を置いた。
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