BEST FRIEND


ケーキを三つ食べていたハルだが、あのレストランの料理は全て美味しくて全部食べてしまった。おかげでお腹はいっぱいで、ちょっと苦しくなった。
そして夏海はハルを自宅まで送り、携帯で時計を見て申し訳なさそうに呟いた。
「すっかり遅くなっちゃったな。おばさんに挨拶しとこうか?」
「大丈夫だよ。夏海と一緒にいるって連絡しといたから」
もう時計は十一時を回っていたが、お母さんは夏海の事を自分の娘以上に信頼してるので心配ない。優等生で教師や生徒からも人気者だという事もお母さんは知ってるので夏海への信頼は厚い。
「じゃあまた明日な」
そう言って帰ろうとする夏海の腕を、ハルは思わず掴んだ。
「ん?」
「今日はありがとう。それと…」
「何だ?」
「あの…」
好きって言いたい。大好きって言いたい。夏海への溢れる想いを伝えたい。
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