BEST FRIEND
「ずる休みか?」
さすが夏海。全てお見通しのようだ。だがハルは布団を被ったままくぐもった声を出す。
「違うもん。ホントに具合悪かったもん…」
体は何ともないが、心が重く苦しかった。
「そっか。失恋のショックで休んだかと思った」
何でそんな冗談ぽく言えるの?確かにショックだったけど、本気で告白したのに。本気で好きなのに。
夏海は場を和ませる為に言ったんだろうけど、夏海の言葉にハルは笑えなかった。
「意地悪しに来たなら帰ってよ…」
「ごめん…」
ハルの泣きそうな声を聞いてか、夏海は素直に謝った。
そしてしばらく沈黙が流れ、夏海が口を開く。
「明日は来るんだろ?冬馬も心配してるぞ」
「うん…」
冬馬にも休むとメールしたが、冬馬は休み時間の度にメールを送って来てくれた。夏海からは返事が無かった。放課後に来る予定だったからかもしれないが、少し寂しかった。
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