BEST FRIEND
「…ごめん」
「夏海…」
「ごめん…ごめん…」
消えてしまいそうな夏海の力ない声。それはハルではなく、別の誰かに謝っているように思えて仕方なかった。こんなにも小さな夏海は見た事がない。
ハルは夏海に対する怒りも忘れ、逆に様子がおかしい夏海が心配になり家へと上げた。
冬馬には迎えに来てくれたお礼を言って帰ってもらった。冬馬も一緒にいると言っていたが、明日も冬馬は朝練があるし、ハル一人でも大丈夫だと思ったので帰ってもらった。
お母さん達に断りを入れてから夏海を部屋へと入れる。
「散らかってるけど気にしないでね」
昨日遅くまで一人ファッションショーをしていたので床には服が散乱していた。ハルは服をかき集め、クローゼットに放り込む。
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