BEST FRIEND

「恵が…死んだ…」
「…嘘」
それしか出て来なかった。何も考える事が出来ず、どう声をかければいいのか分からない。と、夏海はその場に座り込んだ。
「病院を出てレストランに向かおうとしたら、恵の両親から恵が息を引き取ったって電話がかかって来たんだ…。信じられるか？さっきまで生きてたのに、ほんの一瞬で人は死ぬんだぞ？信じられないだろ？」
「夏海…」
自虐的に笑う夏海。その笑顔が怖かった。
結局恵さんの病名は分からないまま恵さんはこの世と夏海から去ってしまった。ずっと待ち続けていた夏海を残して。