BEST FRIEND
もしこのまま夏海が私達の前に現れなかったらどんな手を使ってでも探し出してみせる。何も言わずにいなくなるなんて反則だよ。
そして冬馬と校舎に向かおうとした時、声は突然聞こえた。
「おはよう」
明らかにハル達に挨拶して来たので誰だろうと思い振り返ると、夏海が立っていた。
「夏海!?」
幽霊でも見たように冬馬と驚きの声を上げると夏海は平然と、
「何驚いてんだよ。あ、言っとくけど宿題は見せないからな」
それに冬馬が「えー」と抗議の声を上げるけど、そんなのどうでもいい。
ハルは夏海に駆け寄り、服を掴んだ。
「今までどこ行ってたの!携帯も繋がらないし、家にもいないし!心配したんだよ!」
すると夏海は申し訳なさそうに頭を掻く。
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