BEST FRIEND


イヴ当日、ハルは夏海と山の上のレストランでランチをする約束をして玄関を出た。
「行って来まーす」
この間レストランでの食事がダメになったのでお詫びにと夏海が予約してくれた。
「支度してたら遅くなっちゃった。待たせたら夏海怒るだろうなー」
急ごうと走り出したが、手に持ってないものに気付いた。
「あ!プレゼント忘れた!」
せっかく何日か前から色々下見して選んだから今日渡したい。
取りに戻ろうと来た道を戻り曲がり角を曲がった時、目の前にバイクが現れた。
「え?」
呟いた瞬間、何がなんだか分からなくなった。
分かるのは宙を飛んだ事と、全身を駆け巡る激しい痛み。
「夏…海…」
素敵なクリスマスにしたい。
でもごめん夏海。ちょっと行けそうにない。
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