BEST FRIEND
そしてお父さん達が先生の話しを聞く為に部屋を出ると、入れ替わりで夏海が入って来た。
夏海は寝てないのか、とても疲れきった顔をしていた。そして窓辺に置かれた椅子に座る。
「もう大丈夫なのか?」
「うん。お医者さんも強くぶつかった訳じゃないから、後遺症も残らないだろうって」
「そうか…」
「冬馬から聞いたんだけど、私三日も寝てたんだってね」
「ああ…」
「あーあ。せっかく夏海と初めて二人で過ごすクリスマスだったのに、残念だなー」
ハルがため息を吐くと、夏海が優しくハルを抱きしめた。
「夏海…?」
「そんなのどうでもいいだろ。ハルが目を覚まして良かった…」
そのまま夏海は声を押し殺し泣き出した。
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