BEST FRIEND

「こんばんは…」
そこに立っていたのは恵の父親。仕事帰りなのか、キッチリとスーツを着ていた。
夏海が挨拶すると叔父さんも挨拶し、チラッと恵を見たあと夏海に向かって少し笑顔を見せた。
「ちょっとだけ時間いいかな？」
「はい…」
そして二人は休憩室に行き、夏海は叔父さんにコーヒーを奢ってもらった。
「いただきます」
お礼を言って一口飲んだ。
正直言って夏海は叔父さんが苦手だった。
恵との関係が知られた時、叔父さんは夏海の家に怒鳴り込んで来た。
それから夏海の両親と話し合いをしてたけど、夏海はそれを他人事のように黙って聞いてるだけだった。
お前らのような大人に、私達の気持ちは分からない。と思いながら。