BEST FRIEND
そんな叔父さんだから、夏海が毎日恵に会いに来たいと言って許してくれた時は驚いた。
また反対されると思ったし、叔父さんは夏海の事を許してないと思ったから。
しばらく二人の間に沈黙が流れ、夏海がコーヒーを半分ほど飲んだ時、やっと叔父さんが口を開いた。
「夏海ちゃん、恵の事なんだけど…」
「はい」
「夏海ちゃんはまだ若いし、将来もある。だから、恵を背負う事はない。キミにはキミの人生を歩いて行けばいい」
恵が意識を失って二年ほど経ち、いつかそんな事を言われるだろうと思っていた。
叔父さんは別に夏海を嫌ってる訳ではなく、大人として本気で夏海の事を考えてくれている。
確かに私はまだ高校生で、世間の事なんて何も分かってない。
だが、私の愛する人は恵だけだ。
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