BEST FRIEND
ハルが冬馬の髪を手で整えてあげていると、突然冬馬が校門のほうに向かって手を振った。
「あ!夏海、おはよー」
その瞬間、ハルの胸が大きく跳ねる。
「おはよ」
「おはよ…」
ハルのもう一人の親友。成瀬 夏海(なるせ なつみ)。
夏海も冬馬と同じくらい背が高く、中性的な整った顔立ち。短髪の黒髪が風にサラサラ揺れるたびシャンプーだろうか、爽やかないい香りがする。
実はハルは夏海に恋していた。
夏海と冬馬とは一年の時から同じクラスで席が近かったおかげか、すぐに仲良くなった。
友達になってからは毎日一緒にお昼を食べ遊んだりして、二年生になっても同じクラスで、私達は親友と呼べる仲になっていた。
親友だと思っていたのに、何で私は夏海に恋したのだろう。しかも女の子に。
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