BEST FRIEND
ハルが心配そうに夏海を見ていると、夏海は笑ってハルの頭に手を置いて来た。
「ハルにはそんな話まだ早いって。もう少し大人になってからなー」
何だかはぐらかされた感じがあるが、ハルは夏海の手を振り払った。
「私だってキスぐらい出来るよ!」
「はいはい」
「何その返事!?」
「ほーら、もうすぐ頂上に着きますよー、ハルちゃん」
その言葉に更にカチンと来た。頭に血が上ったせいなのか、夏海に子供扱いされたからか、気付いたらハルは夏海の唇にキスしていた。
「……」
手から伝わる夏海の冷たい頬。柔らかな唇の感触。驚きなのか、目を見開いている夏海。
ハルが離れても夏海は目を見開いたままだった。
(やってしまった…)
夏海の顔が見れず顔を伏せ後悔に襲われるハル。
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