隣の兄ちゃん
相手は少し長い茶髪で、スーツを着た男だった。
見た目は20くらい?
結構かっこよくて背が高かった。
あたしをじぃーっと見たあと、
「おれ、隣に引っ越してきた夜沢千朔(ヤザワチサク)。えっと、親とかは…?」
「親はいま、仕事中です」
「そっかぁ~。挨拶来たんだけど…」
「じゃあ親に伝えときます」
多分だけど…。
「あ、じゃあよろしく。えっと…名前は?」
「谷村柚稀(タニムラユズキ)です」
「じゃあゆずきちゃん!これからよろしく~」
「よろしくお願いします」
超作り笑顔だった。
だって別によろしくしないし…。
でもこれがあたしたちの出逢いだった――・・・