Someday never comes...
まだ幼い顔で大人さながらの切なさを含んだ笑顔をされると、自分が悪いわけでもないのにひどく胸が痛む。
それだけ7歳の女の子には背負うには重すぎる傷があるということなんだ。
そしてその顔が、昔の私と似ているようで、余計に痛々しい。
「なっちゃんが読んであげよっか?」
「ほんとう!?」
ぱあっと明るくなる表情に自然と笑みがこぼれた。
凛ちゃんが笑ってくれると私も嬉しい。
私にとってひーくんが心の拠り所だったように、凛ちゃんにとっての私もそういう存在になりたい。
「昔むかし、あるところに…」
施設に帰って来ると、ひーくんのことをゆっくり考える時間なんて、なかった。
凛ちゃんみたいな子を構ったり、手伝いをしたり。
そんな風に忙しく過ごす時間が、唯一の私の救いな気がした。
ひーくんのことを考えるのは、正直辛いから。