Someday never comes...




[なんでもない、から]

気にしないでください、と。


それでもガッチリ捕まれた腕は緩まなくて、逃げることは許されなくて、気づけば泣きながらすべてを話していた。



誰かに話せば意外と楽になるものだ。


それが見ず知らずの人だったから嫌われる心配もなくて、話終えたあとは不思議とすっきりしたことを覚えている。


私の話をひーくんは相槌をうちながらきちんと聞いてくれた。



ひーくんは慰めるわけでも同情するわけでもなくて。


ただ、[嫌なことがあれば俺に吐き出して泣けばいい。泣く場所がないんだろう?]と私の頭を撫でてくれた。


それはとてもあたたかくて、久しぶりに安心できた瞬間だった。




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