Someday never comes...
本当に辛いことがあった時だけ、私はこうしてブランコを漕ぐ。
それは昔から、私からひーくんへの助けてのサイン。
かなり久しぶりだったのに、ひーくんはちゃんと気づいてくれたのが、とても嬉しかった。
「なんでまたこんなはやく」
「なんか他に好きな人がいたんだって。私も好きだけど、その子が一番だって」
付き合ってまだ2週間だった。
まわりにはやしたてられて、なんとなくつきあって、結果それ。
自分で言っていて虚しくなる話だなあ。
ブランコを漕ぐ本当の理由は違うし、彼のことが本気で好きだったわけではないけど、やっぱりフラれるって悲しい。
「ふーん」
私の話を背中で受け止めたひーくんはボールをリングへと放つ。
ボールは綺麗な弧を描いてリングに吸い込まれていった。
さすが、だなあ。
ボールを見届けたひーくんは後ろを振り向いて、ニヤリと笑った。
「まぁ、そのまま付き合って、ちゅーとかする前でよかったんじゃない?」