Someday never comes...
「ひーくんには、内緒だよ」
それは私と、彼の、最初で最後の秘密の話。誰にも言わないと約束してもらった。周りの人は気付いてると思うけどねって彼は笑ってたけど。
ひーくんには絶対に気づかれてないと思ったから。
今まで私はひーくんを優しいお兄ちゃんのような存在として慕っていたし、ひーくんも私を妹だと思って扱っている。
それは間違いのないことだと思う。
「久しぶりにブランコ漕いでるから心配したのに、それかよ。なっちゃんもよくわかんねぇな」
「そういう気分だったんだもん」
「ふーん」
ひーくんは何か言いたそうな顔で私を見て、それからまたボールをつき始めた。
ひーくんは、決して追及したりはしない。
いつもそう。
相談には乗ってくれるけど、無理に聞き出そうとはしない。
その優しさが好きだけど、やっぱり『大人の余裕』が見栄隠れするから、微妙な心境になる。