変わっても
「んん~。なんか懐かしい夢みたぁ~…。」
ベッドの上で思いっきり背伸びをして朝の眠気をふっ飛ばす。
「優菜~!いつまで寝てんの。さっさと起きないと遅刻よ!」
下からお母さんの怒鳴り声が聞こえる。
「起きよ…」
ハンガーに掛けられた制服を外し、ノロノロと着る。
「なんで朝って眠いんだろ…」
ブツブツと独り言を言っているうちに着替え終わり、下へと降り身支度をする。
「今、コレが焼けたから食べなさい。」
あたしの前には出来立ての目玉焼きと食パンとコーヒーが置かれた。
「あのさ~変な夢みた。昔の夢。」
目玉焼きを一口入れながら喋る。
「お姉ちゃん、それって記憶じゃないの?」
妹の果林(カリン)がコーヒーを飲みながらあたしに聞く。
「そおかも。」
「絶対にそうだよ。」
確かにあたしにはあの記憶がある。
けど今さらそんな夢みるなんて…
ドンッ!
ぼんやりしてると目の前にマグカップが勢いよく置かれた。