タイトル未定
学校は変わらず私の居場所はない。
中学二年から学校への私の考え方が変わっていた。
だから学校へ来ても誰とも会話はせず、学校内を転々と安らげる場所を探して回った。
学校から帰ると、お兄ちゃんや海翔にぃちゃんが倉庫へ行くと話していた。
「ここには健斗が残るが、小織はどうする?行くか?」
いつもみんな倉庫へ行く中で私だけはここに残っていた。
初めは私一人で留守番していたものの二回の喧嘩で一人だけここへ残すと海翔にぃちゃんが決めた。
いわゆる私の監視みたいなもの。
お陰で健斗とは仲良くなった。
健斗はチーム内の誰より小柄で、尚且つ腕はたつ。
喧嘩で折れたと言っている前歯が、笑うと見えて人懐こいイメージを与えた。
その日も~行かない~と言おうとした私は、ここに引っ越してきた初日に少しだけ、倉庫に興味を持った事を思い出して、喉まで出た~行かない~の言葉を~行く~へと変えた。
「ホントに行くのか?」
『駄目なら聞かないでよ』
「いや、周りに目が向いてきたなら何回でも連れてってやる」
中学二年のあの夜から、全く人や物に興味を持てなかった私を一番よく知ってるお兄ちゃんを私もよく分かっていた。