タイトル未定
倉庫
私にはどうでもよかった事だが、海翔にぃちゃんがどうしても私を自分のバイクに乗せると言い張って散々お兄ちゃんと揉めた挙げ句に、海翔にぃちゃんの運転で倉庫へ着いた。
倉庫は学校の校庭程の庭があって、それを半分埋め尽くすバイクや人でごった返している。
私が想像した通り、倉庫の正面にはシャッターが降りていて、横にはしっかりした外階段があって二階の窓から人の気配もした。
「デッケーだろ?スゲーだろ?」
まるで自分のもんだと言わんばかりの言い方の海翔にぃちゃんに、
「まかり間違っても海翔のじゃねぇ、疾風の親父さんのもんだ」
とお兄ちゃんは訂正し、海翔にぃちゃんはすっかりシューっと萎んで細い目でお兄ちゃんを睨んでいた。