タイトル未定
一度目を合わせただけで、人見知りの私が何故かすっかり慣れてしまった人……
それは、お父さんより怖い低い声に、黒い髪、黒い瞳。
その瞳には炎のような、何か強いものが見えた気もした。
隣に座って難しそうな顔でお兄ちゃんと話す疾風、さんん見つめていた。
「おいー、さおはもう俺より疾風のがいいのかぁー??」
拗ねたような海翔にぃちゃんの声に、バッと顔を海翔にぃちゃんに向ける。
けれど横から大きな手で伸びてきて、思わずビクリと目を瞑った。
「はや…」
「目を瞑ると余計怖いぞ」
私がビクついた事を見て、お兄ちゃんが声を出したけれど、疾風さんの言葉に思わず目を開けた。
そこには微かに笑う疾風さんが私の頬をブニュっと摘まんでいた光景。