タイトル未定
部屋から出ると、階段の下に壁に寄りかかり手のひらを擦り合わせる一人の女の子がいた。
あの冷たい雰囲気の中、私を助けてくれるための嘘かと思った私はびっくりしすぎて目を見開いていた。
「さおちゃん、あれが妹の七海、さおちゃんと同じ15で、同じ高校にいるよ」
クラスはどうか知らないけどね?
そう言った健斗の言葉が聞こえたのか、下にいた女の子がパッとこちらを見上げて、素早く階段を上がってきた。
「キャア!やっとお喋り出来る!!あたし七海!お兄ちゃんの妹!もうあたしずっと大史さんの妹である小織ちゃんに会いたかったんだぁ♪…学校じゃ近寄り難いオーラだしまくりだしぃ…」
健斗が苦笑いしながら、ちょっと黙って、というまで七海ちゃんの爆弾トークが続いた。