『想いのカタチ』 (短編小説)
佐野:「…覚えてないんだ…」
一ノ瀬:「…え…?」
佐野の小さな声が、一瞬耳を掠めた。しかし、他の2人には聞こえていなかったようで すぐに武田が話をそらした。
武田:「そう言えば、隣のクラスに超かわいいコ、見付けちゃったんだ」
奈々沢:「マジ!?」
武田:「聞けよ、めっちゃくちゃスタイルが良くて かわいいんだ〜全然目立たない地味〜な感じなんだけど、マジでいいんだよ〜」
奈々沢:「そんなヤツ居たんだ。」
武田:「渡も今度行こうぜ!昼の屋上(笑)絶対に本読んでるから」
佐野:「俺はイイよ」
奈々沢:「何で!?」
佐野:「興味ないし」
武田:「バカだな〜、損しても知らねぇよ(笑)」
佐野:「本なら蒼だって読んでるじゃん」
一ノ瀬:「アタシを一緒にしないでよ」
奈々沢:「…(蒼を見詰める)」
一ノ瀬:「…何?」
奈々沢:「…普通だな」
一ノ瀬:「は!?どういう意味!?」
奈々沢:「別に意味なんかねぇよ。悪く無いってコトじゃん」
一ノ瀬:「すんごい悪意を感じるんだけど失礼じゃない??」
奈々沢:「なんでだよ、可愛くねぇな」
一ノ瀬:「あんたが失礼なコト言ってるんでしょ!」