『想いのカタチ』 (短編小説)
奈々沢:「お前、最近何か変だよ。何があった?」
一ノ瀬:「だから 何もないって(笑)」
とにかく 精一杯に平然を装った。これ以上 勘付かれたら堪らない…。
奈々沢:「ホント素直じゃねぇな(苦笑)」
一ノ瀬:「そんな事ないよ」
奈々沢:「最近小説書いてないだんろ?」
一ノ瀬:「え?」
奈々沢:「わかるよ お前見てればそのくらい(笑)…んまぁ アレだな、読んだり書いたりするのもイイけどさ、たまには外に出て 色んな経験するのもイイんじゃねぇの?」
奈々沢の言葉が とても温かく胸に響いた。様々な想いに縛られていた分だけ、心の中に優しく染み込んでくる。そんな事を感じたのも束の間、部屋のドアが開いた。佐野だった。