『想いのカタチ』 (短編小説)

蒼は一人部屋を出る。部屋の近くにある岩場に座り、海を眺めた。打ち寄せる波を見詰めていると、佐野の事が頭をチラつく。イイ所は沢山あるが、今のままでいたいのだ。蒼にとっての『特別』ってなんなのだろう…。そんな時だった。

佐野:「眠れないの?」

声に驚き振り返ると 佐野が微笑みながら立っていた。私は…視線を外して俯く。

佐野:「そんな露骨に避けないでよ(笑)」
一ノ瀬:「…そんなんじゃないよ」
佐野:「ベッド、一緒が良かったのに 信の隣に行っちゃうんだもんな…残念(笑)」
一ノ瀬:「…それは…」

ぎこちない態度の蒼を見詰め、佐野は呟いた。

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