大好きな君へ
言い終わらないうちに和也はあゆの腕を掴んで、階段のある方へ向かった。




「ちょっと!!何すんの!?離してってば!!」





和也はあゆの言った事なんかに答える様子も無かった。

ついた所は音楽室。
音楽室って言っても、もう使われてない音楽室。




誰も入ってなかった性か、ほこりっぽかった。






「ねえ、何?」



「何で避けるんだよ?」




「別に避けてないし・・・」




和也は納得のいかない顔で、




「この前の事で怒ってんの?」




聞き返さなくたって分かった。
和也のこの前っていうのは和也とあゆが最後に一緒に帰った日。





「別に、怒ってない。」



「嘘付くなよ。」




「嘘なんかついてない!!」




思わず叫んでしまった。



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