initial

ーガタン


その音を聞いて、何気なく隣の席をのぞこうとした。


その時、


ーポン

と肩を叩かれ


「へぇ、優しい人がタイプなんだ。」

と、聞き覚えのある重低音ボイスが聞こえた。


間違えるはずがない。

ーサァ

と、血の気が引くのを感じながら、心の中で


(こいつは今朝の…)


『二重人格男ッ』


あ、あれ?


心の中で叫んだ…

って続けるはずだったのに、


言葉に出して、言っ、ちゃっ、た?


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