嘘つきな魔法使い
序章「魔女になった理由」


身体全身に、激しい痛みが走る。


額(ヒタイ)から流れ落ちた血は、画用紙などの赤よりもっと濃く、ワインのような鮮やかな色だった。



「はぁ…はぁ…っ」



呼吸が乱れる。息をするのが苦しい。


地面に膝をついて屈む(カガム)のがやっとだった。


過呼吸にならないように必死に息を吸ったり吐いたりして呼吸を整える。


「ー…ふう」


呼吸が整うと、ゆっくりと起き上がり、地面に座っていたせいで汚れた服の泥をぱんぱんとはらった。


「やっぱり、魔法を使うのは大変ね…」


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